【maya python GUI】クラスってなあに?その3

class03 GUI作成
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こんにちは!ビーバー@ゲーム業界歴約20年python勉強中 です。
maya python初心者の方のために、カンタン・わかりやすい解説サイトを作っています。

maya の pythonでGUIを作りたい、、、、んだけど、
「クラス」ってなんなのかわからない。。

この記事は、そんな方のお悩みにこたえる、クラスの解説です。
今回は3回目!「継承」について説明していきます。

動物の例で解説し、そのあとmayaでウィンドウを作って実践してみます。
継承を理解すれば、外部ライブラリを使ったGUIを作れるようになりますよ。

ピヨちゃん
ピヨちゃん

外部ライブラリって、、、?

ハムちゃん
ハムちゃん

例えば、pySideだよ。
pySideの機能を、継承してUI作成すると、がぜん効率があがるんだ!

ピヨちゃん
ピヨちゃん

わあ!pySide!使ってみたかったんだよ~

それではいってみましょう~☆

python2系と3系では書き方が異なります。
この記事ではpython2を中心に説明していきます。(python3の記述も触れています)
※maya2021までは python2系、2022以降は3系になります。

>> Pythonの勉強方法を知りたい方はこちらをどうぞ

※当サイトで紹介する商品は、アフィリエイトプログラムを利用しています。

継承ってなあに

あるクラスの特徴や機能を、別のクラスに引き継がせることを、継承と言います。
継承を使うと、クラス間に親子のような関係を作ることができます。

機能を引き継がせる元となるクラスを、「親クラス」といい、
引き継ぐ方のクラスを「子クラス」と言います。

ハムちゃん
ハムちゃん

親クラスは、スーパークラス や 基底クラス って呼ばれることもあるよ!
子クラスは、サブクラス や 派生クラス とも呼ばれるね。

例をあげて説明しましょう。
例えば、「動物クラス」が、「なく」と「たべる」というメソッドを持っていたとします。
「犬クラス」と「ネコクラス」は、動物クラスを継承することで、
動物クラスの持つメソッドを利用することができます。

また、子クラスは独自のメソッドを追加することもできます。
ネコの「ねる」「あそぶ」が独自のメソッドです。

ピヨちゃん
ピヨちゃん

親クラスの力をかりながら、子クラスで新しいことができるんだね!

継承とは?

あるクラスの特徴や機能を、別のクラスに引き継がせることを、継承と言います。

親クラスと子クラスを作ろう

それでは、この図の例をスクリプトにしてみましょう!

◆python2系の書き方はこちら↓

class Animal(object):
    def __init__(self, name):
        self.name = name

    def make_sound(self):
        print self.name + "はなきます。"

    def eat(self):
        print self.name + "はたべます。"
        
class Dog(Animal):
    def __init__(self, name):
        super(Dog, self).__init__(name)
                
class Cat(Animal):
    def __init__(self, name):
        super(Cat, self).__init__(name)
        self.name = name + "ちゃん"

    def sleep(self):
        print self.name + "は、ねます。"

    def play(self):
        print self.name + "は、あそびます。"
        
dog = Dog("ポチ")
dog.make_sound()
dog.eat()

cat = Cat("タマ")
cat.make_sound()
cat.eat()
cat.sleep()
cat.play()

class Animal:
    def __init__(self, name):
        self.name = name

    def make_sound(self):
        print(f"{self.name}は鳴きます。")

    def eat(self):
        print(f"{self.name}は食べます。")
        
class Dog(Animal):
    def __init__(self, name):
        super().__init__(name)

class Cat(Animal):
    def __init__(self, name):
        super().__init__(name)
        self.name = name + "ちゃん"

    def sleep(self):
        print(f"{self.name}は寝ます。")

    def play(self):
        print(f"{self.name}は遊びます。")

dog = Dog("ポチ")
dog.make_sound()
dog.eat()

cat = Cat("タマ")
cat.make_sound()
cat.eat()
cat.sleep()
cat.play()



親クラスをつくる

まず、親クラス「Animal」を作ります。
このクラスでは、動物が共通して持つ「なく」と「たべる」のメソッドを定義します。

※クラスの書き方を知りたい方はこちら

class Animal(object):
    def __init__(self, name):
        self.name = name

    def make_sound(self):
        print self.name + "はなきます。"

    def eat(self):
        print self.name + "はたべます。"
ピヨちゃん
ピヨちゃん

class Animal(object):
クラス名の後ろについてる(object)ってなあに?

ハムちゃん
ハムちゃん

python2系の書き方だよ。
python2では、親クラスを作る場合 引数に(object)を入れるのが推奨されているんだ。
3系では必要ないよ!

python2系で、クラス名の後ろに(object)を入れたクラスを、「新スタイルクラス」といいます。
これに対し、(object)をつけないクラスを、「旧スタイルクラス」といいます。
python2系では、新スタイルクラスの使用が推奨されています。
ちなみに、Python3で旧スタイルクラスは廃止されました。くわしくはこちら

親クラスの書き方

◆python2系
class クラス名(object):

◆python3系
class クラス名:

子クラスをつくる

次に、親クラス「Animal」の特徴を受け継ぐ、子クラス「Dog」を作りましょう。
親を継承した子クラスを作るには、

class 子クラス名(親クラス名):

と、書きます。

class Dog(Animal):
    def __init__(self, name):
        super(Dog, self).__init__(name)
ピヨちゃん
ピヨちゃん

class Dog(Animal):

で、Animalクラスを継承するんだね。

ハムちゃん
ハムちゃん

そうだよ、インスタンスをつくって、
Dogクラスが親のメソッドを引き継いでいることを確認してみよう。

Dogクラスに引数「ポチ」を与え、インスタンス「dog」を作成、
make_soundメソッドと eatメソッドを実行します。

実行結果です。「ポチはなきます。」「ポチはたべます。」と出力されました。

Dogクラスには、メソッドの定義はないので
Animalクラスのメソッドを継承しているのがわかります。

このように、親を継承した子クラスは、親クラスのメソッドをすべて使うことができます。

子クラスの書き方

◆python2&3共通
class 子クラス名(親クラス名):

super()とは?

ピヨちゃん
ピヨちゃん

おお~~!便利だねえ~~。そしたらさ、スクリプトの3行目の、
super(Dog, self).__init__(name)
っていう部分はなあに?

class Dog(Animal):
    def __init__(self, name):
        super(Dog, self).__init__(name)
ハムちゃん
ハムちゃん

ここでは、親クラスのコンストラクタを呼び出しているんだよ。

※コンストラクタってなんだったっけ?という方はこちら

super関数は、親クラスを呼び出す関数です。
super().メソッド名()で、親クラスのメソッドを呼び出すことができます。
super関数は、python2と3で書き方が異なります。

親クラスのメソッド呼び出し

◆python2
super(子クラス名, self).メソッド()

◆python3
super().メソッド名()

ピヨちゃん
ピヨちゃん

python3では、super関数に引数がいらなくなったんだね!

スクリプトに戻って、
Dogクラスのコンストラクタの中身は、super関数の1行のみになっています。

class Dog(Animal):
    def __init__(self, name):
        super(Dog, self).__init__(name)

super関数で __init__メソッドを呼んでいるので、
この処理は 親クラスの__init__、つまり親のコンストラクタの処理をそのまま継承する、
という意味になります。

独自のメソッドをもつ子クラスをつくる

親クラス「Animal」の特徴を受け継ぎつつ、
独自のメソッドを追加した猫のクラス「Cat」を作ってみましょう。

メソッド追加は、通常の関数の宣言とおなじく def~で書きます。
このとき、親クラスにないメソッド名を使うとメソッドを追加することができます。

class Cat(Animal):
    def __init__(self, name):
        super(Cat, self).__init__(name)
        self.name = name + "ちゃん"

    def sleep(self):
        print self.name + "は、ねます。"

    def play(self):
        print self.name + "は、あそびます。"

sleepメソッドと、playメソッドを追加しました。
Catのインスタンスを作って、動作を確認してみましょう。

cat = Cat("タマ")
cat.make_sound()
cat.eat()
cat.sleep()
cat.play()

インスタンス「cat」から、メソッドmake_soundと eatメソッドを呼び出します。
また、Catクラス独自に追加した、sleepとplayメソッドも実行してみます。

実行結果

sleepとplayメソッドが実行されているのを確認できました!

子クラスに独自メソッドを追加する

class 子クラス名(親クラス名):
□□□□def メソッド名(self):

※メソッド追加は、親クラスにないメソッド名を使う

ピヨちゃん
ピヨちゃん

おーっ!追加メソッドがちゃんと動いた!
…ってあれ?出力が、タマ「ちゃん」ってなってるね?

ハムちゃん
ハムちゃん

良く気づいたね!Catクラスのコンストラクタに、
「ちゃん」をつける処理を追加したんだ。

Catクラスのコンストラクタ(__init__のなか)を見てみましょう。

class Cat(Animal):
    def __init__(self, name):
        super(Cat, self).__init__(name)
        self.name = name + "ちゃん"

4行目に、 self.name = name + “ちゃん” という処理が追加されていますね。
変数nameで受けた文字列に、”ちゃん”をつけたし、インスタンス変数として使えるように
self.name に代入しなおしています。

※selfって何だったっけ?という方はこちら

ピヨちゃん
ピヨちゃん

コンストラクタにも、子クラス独自の処理を追加することができるんだね!

親クラスのメソッドをオーバーライドする

オーバーライドとは、メソッドの上書きのことです。
親クラスのメソッドを、子クラスで上書きして使うこともできます。
Catクラスの make_soundメソッドを、書きかえてみます。

class Cat(Animal):
    def __init__(self, name):
        super(Cat, self).__init__(name)
        self.name = name + "ちゃん"

    def make_sound(self):
        print self.name + "は、にゃおーんとなくよ!"

出力結果

ピヨちゃん
ピヨちゃん

おお、タマちゃんのなき方がにゃおーんになった!

親クラスと同じメソッド名で、super関数を使わず処理を書くと、
親クラスのメソッドを上書きすることができます。

親クラスのメソッドをオーバーライドする

class 子クラス名(親クラス名):
□□□□def 親クラスのメソッド名(self):

親クラスと同じメソッド名で新たな処理を書くと、メソッドを上書きすることができる
※super関数を使わない

このように、継承を使うと親クラスの特徴を子クラスへかんたんに引き継ぐことができます。

ハムちゃん
ハムちゃん

親クラスと子クラスで機能を振り分けると、何度も同じスクリプトを書かなくてもよくなるよ。

整理されて読みやすくなるし、効率的に書けるよね!

継承を使ってウィンドウを作ってみよう

UI

それでは、継承をつかってMayaのウィンドウ作ってみましょう!
親ウィンドウクラス「BaseWindow」を作って、
その特徴を子ウィンドウ「CustomWindow」に継承させてみます。

この項目は、maya2020 python2系の書き方で解説します。

親クラスの作成

まず、BaseWindowクラスを作ります。
BaseWindowクラスでは、ウィンドウの作成・表示と、タイトルづけだけを行います。

import maya.cmds as cmds

class BaseWindow(object):
    def __init__(self, title):
        self.title = title

    def create_window(self):
        window = cmds.window(title=self.title, widthHeight=(300, 200))
        cmds.showWindow(window)
ピヨちゃん
ピヨちゃん

タイトル名を引数でとるようにしているね。

BaseWindowのインスタンスを作って、create_windowメソッドを呼び出してみましょう。
引数で受け取った「ベース」というタイトル名がついた、素のウィンドウができます。

子クラスの作成

次に、親クラスを継承した、子クラス「CustomWindow」を作ります。
CustomWindowクラスでは、
「ウィンドウにレイアウトを設定して、ボタンを表示する機能」を追加します。

ピヨちゃん
ピヨちゃん

素のウィンドウを作るところは親クラスにまとめて、
子クラスでは、ウィンドウの中身を作る作戦だね!

class CustomWindow(BaseWindow):
    def __init__(self, title):
        super(CustomWindow, self).__init__(title)

    def create_window(self):
        super(CustomWindow, self).create_window()
        cmds.columnLayout()
        cmds.button(label='ボタン')

create_windowメソッドは、親クラスの同名メソッドにレイアウトとボタンの処理を追加しています。
CustomWindowのインスタンスを作って、ウィンドウを表示してみましょう。

タイトル名が「テスト」、ボタンが配置されたウィンドウができました!

このように、ウィンドウの共通部分を親クラスにまとめ、
子クラスにボタンなどの要素を入れておくと、
様々な用途のウィンドウ作成が楽にできるようになります。

ハムちゃん
ハムちゃん

ウィンドウを作るのに、毎回共通部分を書かなくてすむよね。

まとめ

今回のブログ記事では、クラスの継承について解説しました!
ポイントをまとめます。

継承とは?
  • 継承とは、あるクラスの特徴や機能を、別のクラスに引き継がせること です。
  • 機能を引き継がせる元となるクラスを、「親クラス」といい、
    引き継ぐ方のクラスを「子クラス」と言います。
  • 子クラスは独自のメソッドを追加したり、
    親のメソッドをオーバーライド(上書き)することができます。
  • 共通の機能を親クラスにまとめ、子クラスに独自の処理をまとめると、
    効率的にスクリプトを作成することができます。

クラスと継承が使いこなせるようになると、より楽に&自由にGUIが作れるようになりますよ!
クラスの理解を深めて、「ちょっと凝ってるGUI」を作りましょう~☆

最後まで読んでくれてありがとうございました!

ピヨちゃん
ピヨちゃん

また読みに来てね~~☆

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